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乳房再建Q&A

乳がんと乳房再建乳房再建Q&A

ここでは診察室やカウンセリングルームでよく聞かれる質問をいくつか挙げてみました。
そのほかのことは直接担当医やナースにお尋ねください。

Q 放射線照射をしていると再建はできませんか?
Q 乳房温存術でも再建が必要になるのですか?
Q 再建した乳房は健側の乳房と同じになりますか?
Q 乳房再建はどのくらい費用がかかりますか?
Q 乳房切除術から乳房再建までどのくらい待てばいいのでしょうか?
Q 回復にはどのくらいの期間が必要ですか?
Q 再建は乳がん検診に支障はありませんか?
Q 人工乳房は安全ですか?これは永久的なものですか?
Q

放射線照射をしていると再建はできませんか?

A

再建ができないことはありません。しかし、難易度が高くなることは確かです。また特に人工物での再建を希望される場合は、放射線照射していない場合と比較して、時間もかかり、結果も劣ってしまうことも確かです。


再建乳房は大きさ、形のほかに柔らかさということもとても重要です。放射線照射をしている組織は当然やけどしていますので、通常の皮膚よりも伸びにくく、硬く、乾燥しやすく、血のめぐりも悪いです。よって同じ柔らかさの人工乳房を入れても、その袋となる皮膚が硬ければ柔らかく感じなくなってしまいます。また、先ほど合併症の項でも述べたように、被膜拘縮も起こしやすいため完成度も劣ってしまうことは覚悟しなければなりません。


また、再建途中で皮膚が破れてしまい結局は広背筋皮弁を併用することも30%くらいは考えられます。そのようなことも考えた上で再建するかどうか決めてください。


自家組織で行う際には、放射線照射したところを取り除いて腹直筋皮弁などで再建することが多いので、手術としてはかなり大掛かりになりますが、人工物で行うよりは安全性は高いでしょう。

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Q

乳房温存術でも再建が必要になるのですか?

A

今、乳房温存術は大流行です。新聞などでも温存術が多い病院が乳がん治療にすぐれた病院のように書かれていることもあり、温存手術が素晴らしいと思っている患者さんもたくさんいらっしゃいます。最近は、術前化学療法でがんをかなり小さくすることができ、温存手術の適応が非常に広がりました。


しかし温存手術をなさった患者さんで、形成外科にいらっしゃる患者さんも決して少なくないのです。


温存手術を受ける前、手術の後の乳房の形は『そんなに変わらない』『ちょっと小さくなるだけ』『傷がつくだけ』『少し凹むだけ』というイメージを持っている方がほとんどです。実際に外科の先生にそう言われたという患者さんもいらっしゃいます。『ちょっと』『さほど』『少し』こんな曖昧な言葉では人間の想像は良いほうに考えてしまうのは当たり前かもしれません。


もう一つの問題は、温存して残した乳房に放射線をかけなければならないということです。放射線はやけどです。ましてやがん細胞が再発しないように焼かなければ意味がないのです。放射線をあてれば中の乳腺だけが焼けるわけではなく、表面の皮膚もやけどします。やけどした皮膚の下に、どんなに柔らかい人工乳房が入ろうと、筋肉や脂肪を入れようと、皮膚が硬ければ柔らかくは感じられません。


温存手術をされた方で、形成外科を訪れる患者さんはほとんどの方が『こんなになるとは思わなかった』『こんなはずではなかった』という言い方をされます。そして再建の難易度は非常に高くなります。
もちろん温存手術をしても、形も柔らかさも問題ない方もたくさんいらっしゃるでしょう。それなら本当にやってよかったと思える手術でしょう。


手術をした皆さんがそう感じていただかなければ、温存手術の意味がありません。
自分の場合はどうなるのか、なりそうなのか。もう一度担当医とよく相談し、理想を追わないように気をつけてください。

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Q

再建した乳房は健側の乳房と同じになりますか?

A3

大胸筋の下に人工乳房を挿入して再建された乳房は、手術をしていない側と全く同じというわけにはいきませんが、服や水着を着たときにはほとんどわからなくなり、また、人と入浴しても気づかれないくらいにはなると思います。


当初から健側の乳房が極端に小さかったり、大きかったり、垂れている場合、しばしば健側の乳房に手を入れてバランスを取ることがあります。豊胸術、縮小術、挙上固定術がそれです。これは別途料金がかかりますが、せっかく再建する乳房の対称性を得るためにどうしてもやらなければならないこともありますので、担当医とよくご相談ください。

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Q

乳房再建はどのくらい費用がかかりますか?

A

乳房再建は美容の手術ではなく、乳房切除後の回復にかかわる矯正手術ですが、現在、 これには大きなしばりがあります。基本的には自家組織の場合は健康保険がききます。(手術点数:一期再建:219,000円 二期再建:300,000円 但しこれはあくまでも手術料であり、この他に入院費、薬代、処置代などは別途かかります)一方、人工乳房を使う手術は厚生労働省が承認していないものを使う場合自費になります。
つまり、ソフトコヒーシブシリコンやテクスチャードタイプのエキスパンダーを使用すると手術料も含めすべて自費になります。


Tattooも自費です。これらはいずれも新しいもの、進んだものであり、残念ながら製品の進歩に役所の認可が追いついていけていないというのが現実です。優れたもの、新しいものを使用すれば出来上がりもよくなるのは確かですが、ここでも自分のプライオリティーは何であるかを考えることは必要です。


先ほど述べた健側をいじる場合も、これは美容の手術とみなされるため自費になります。
自分の選んだ方法がいくらかかるかは、担当医にきちんと確認して下さい。

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Q

乳房切除術から乳房再建までどのくらい待てばいいのでしょうか?

A

これは患者さんの状況と外科医の考え方次第です。一期再建があるくらいですから、乳房切除を行った後すぐに再建できるということもあるでしょう。しかし、がんの種類、進行度などにより、せっかく再建してもそれを捨てなければならなくなることもあるのです。


特に自家組織で再建した場合は、元の通りお腹や背中に戻せるわけでもなく傷もなくなるわけでもありません。よって外科医によく相談してください。

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Q

回復にはどのくらいの期間が必要ですか?

A

再建方法、乳房切除術からの期間によっても異なりますが、人工物による再建は日帰りで可能です。ただ、最初のエキスパンダー挿入術はかなりの痛みを伴いますので、1週間後の抜糸までは仕事復帰はできないと考えてよいです。
エキスパンダーがきれいに入っていればシリコンへの入れ換えは非常に負担が軽く、痛みもほとんどありません。


広背筋皮弁や腹直筋皮弁は数週間の入院プラス体力の回復、機能の回復にはさらに数週間から数ヶ月必要となるでしょう。

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Q

再建は乳がん検診に支障はありませんか?

A

乳房再建はがんの再発を誘発も予防もしません。よって再建後もあなたは定期的な検査を続ける必要があります。人工物の再建においては、エキスパンダーもシリコンも大胸筋の下に入りますので、再発の診断の邪魔になることはありません。


触診だけでなくマンモグラフィーや超音波、CTなどは再建中も再建後も全く問題ありません。ただ、エキスパンダー挿入中は金属が体内にあることを忘れないでください。よってMRI撮影はできません。


また骨シンチでも、金属部分に集積がみとめられることがあります。よって再建を始める前に外科医にMRIを撮っておく必要がないかを確認してください。

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Q

人工乳房は安全ですか?これは永久的なものですか?

A

まず、すべての人工乳房は未だ厚生労働省が認可しておらず、医師が個人の責任のもとに輸入許可を取って輸入していることを銘記しておきます。
ソフトコヒーシブシリコンは1994年頃からヨーロッパを中心に使い始められました。


2006年8月現在、まもなくアメリカのFDAで認可される見込みですが、まだ正式決定はでておりません。しかしこれは今までのシリコンや生理食塩水バッグと異なり、コヒーシブ(固着性の)という名の通り中身が固体であることが特徴で、万が一破れたり、穴があいてもそこからニュルニュル染み出てきたり、急にぺちゃんこになることはありません。ちょうど『ぎゅうひ』『グミ』のようなものだと思っていただければわかりやすいと思います。
現在はこれが最も新しく、安全性も高いと考えていますが、今後もっと優れたもの、もっとよいものが出てくるかもしれませんし、出てこないかもしれません。


常にきちんとした形成外科の専門医に相談し、再建後もきちんとフォローしてゆくことが大切なのです。

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