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乳がんと乳房再建

BSCは経験が違います!

保険適用になって乳房再建が全国で行われるようになっています。
施設を認定するための認定講義を任されていることからもわかるように、BSCは開業以来、5000人を超える患者さんの乳房再建を行ってきました。
自費の頃から一貫して安全な日帰り麻酔、迅速かつ丁寧な手術、担当ナース制、15分以上お待たせしない外来のモットーは保険適用になってからも変わりません。最近始めた施設、医師とはQualityが違うことを自信にこれからも質の高い乳房再建を行っていきます。


乳がんと乳房再建乳房再建Q&A乳がん検診脂肪注入
セカンドオピニオン
乳房を失ってしまったあなたへ 失うかもしれないあなたへ
再建手術について
Ⅰ:人工物を使用するイミーディエット
Ⅱ:人工物を使用するディレイド
Ⅲ:乳輪・乳頭の再建
Ⅳ:可能性のある合併症

乳房を失ってしまったあなたへ 失うかもしれないあなたへ

選択にあたって
あなたがもし不運にも『乳がん』と診断され、乳房にメスを入れざるを得なくなった時、あなたには『乳房再建術』を受けることができるという選択が得られます。乳房再建をなさるかどうかはあなた自身が決めることです。それは決して特別なことではありません。


また、乳房再建はあなた自身だけでなく、家族や親しい友人にあなたが乳がんであったことを忘れさせてくれるでしょう。


あなたが失いかけていたものを乳房再建によって再び取り戻す気持ちがあれば、再建を考えてみてください。乳房再建により、あなたが病気から解放されて日常生活に復帰することが容易になることもあります。


現にこれまで乳房再建を行った患者さんたちは


『家族や友達と温泉へ出かけたい』
『ゴルフ場で汗を流してから帰りたい』
『パットの着用がわずらわしい』
『孫と一緒にお風呂に入りたい』
『水着やラウンドネックのTシャツを着たい』
『将来誰に介護されても同情されないようになりたい』


などの理由で再建を行い、現実にあきらめかけていたこれらの夢を再び実現することができました。
そして2014年1月、 人工物再建が保険で出来るようになりました。

しかしそれには条件があります。

選択の第一歩は再建手術に関して、できるだけ正しく、詳しい情報を得ることです。

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再建手術について

乳房再建には時期によって


①:一期再建 (イミ一ディエット)
乳がん手術と同時にエキスパンダーを入れる
②:二期再建 (ディレイド)
乳がん手術後しばらくたってからエキスパンダーを入れる


に大別できます。
また使用する素材により
①人工物を使用する。
②自家組織 (体の他の部分から皮膚や脂肪、筋肉) を移植する。
③人工物と自家組織の併用。

があります。


あなたの乳がんの種類はもとより、受ける(受けた)乳がん手術の種類、残存する皮膚や皮下組織の量、放射線照射の有無、反対側の乳房の大きさ、形などが、いつ、どの方法を用いるかの目安になります。
また、あなたの体型、職業、趣味、ライフスタイルなども方法選択の重要な要素です。

『テニスが大好きだから、手術が終わってできるだけ早くテニスをしたい』
『子供が小さくて、長い入院は無理』
『反対側の乳房が小さいのがコンプレックスだったから、この際大きく作りたい』
『授乳してから健側が垂れているのが嫌』


などなど、自分にとって大切なこと、譲れないことは必ず伝えて下さい。
もちろん、できること、できないことはあります。

『患者友達のあの人はうまくいったのに・・・・』
『患者会の〇〇さんができたから、私も同じように』


とはいかないこともあるのです。
形成外科医が、あなたの色々な要素を考慮した上で提示してくれた方法が最良と思いますので、そういう医師を選び、一緒に考えてみてください。
ここでは、人工物を用いた乳房再建につき、イミーディエット、ディレイドに分けて解説します。

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人工乳房を使用する方法

第一段階:乳房切除+エキスパンダー挿入

まず、あなたの乳腺外科の主治医から『温存するには、広がりが大きいけれど、全摘して同時に再建できますよ』という話があったら、あなたはイミーディエットができる候補者です。イミーディエットとは、乳腺を摘出した後すぐにティッシュエキスパンダー(組織拡張器)をいれておくことです。エキスパンダーは日本語の名前の通り、縮んだ皮膚組織を拡張=伸展させるためのシリコン製の風船のようなものです。風船には専用の針を刺す部分があり、そこから生理食塩水を注射して皮膚を伸ばしていくわけです。

あなたの手術が、乳輪乳頭を切除して全摘するのか、乳輪乳頭は残すことができるのかによって切る場所は違いますが、たとえ乳輪乳頭が残せて皮膚を1mmも取らなかったとしても、乳腺を摘出する手術の間に皮膚は少しずつ縮んでしまいます。ちょうど妊婦さんが出産したら、膨らんだお腹がペタンコに戻るように、皮膚は支えがなくなった瞬間に縮もうとする性質をもっているのです。

エキスパンダーを挿入して、ある程度、生理食塩水を注入し、ドレーンを入れて縫合するだけですから、このために手術時間が極端に延長したり、入院期間が長引くこともありませんし、他にどこも新しい傷はできていませんから、翌日から歩行も可能です。当然、目が覚めて胸の膨らみがなくなっていることもありません。

第一段階での注意点
ドレーンを抜いて退院後は、まだ傷が完全に治っていないこと、エキスパンダーの水の量が少なめなことから、すぐに動き回ったり、リハビリを始めて胸がユサユサ揺れてしまうと、エキスパンダーの周囲に内出血やリンパ液が溜まってしまいます。さらにそれをそのままにしておくと、液内に細菌が繁殖して感染を起こすことが約3%(2014年3月1日現在)の患者さんに見られます。

術後1ヶ月して、生理食塩水を注入すればエキスパンダーも動かなくなり、また多少擦れても、浸出液は溜まらなくなります。よって術後1ヶ月は苦しくない程度に胸を固定し、飛んだり跳ねたり走ったりしないでください。

もし乳房周囲に赤みや熱感が生じたら、まず休養と栄養をとり、患部を冷やして、すぐに専門医に連絡してください。液が溜まっているだけなら、それを滅菌の針で丁寧に抜けば事なきを得ます。しかし、それをそのままにしてしまうと感染し、再建が頓挫することもあり得ます。

よい結果を得るためにはすべてにおいて迅速な対応が必要なのです。

第二段階:生理食塩水注入

ドレーンが抜けたら退院し、約1ヶ月後から外来で生理食塩水の注入を行います。
注入は1〜2ヶ月に1度、外来で行います。注入量も期間も特に決まりはありません。スケジュールに合わせながら、痛みを感じない程度に水を入れていきます。反対側の乳房の大きさにもよりますが、通常は6ヶ月くらいで反対側より少し大きいくらい膨らむことになります。

この拡張を行っている間も、患者さんは日常生活に支障は来しません。仕事もスポーツも旅行も行ってください。ただエキスパンダーの生理食塩水注入部には注入用の針が突き抜けないように大き目の金属板が入っていますので、エキスパンダーが入っている間はMRI検査はできません

第三段階:シリコンインプラントへの入れ換え

乳がん手術と同時にエキスパンダーを留置してから8ヶ月後以降に、反対側より大きくなったらエキスパンダーを抜去し、コヒーシブシリコンインプラントを挿入します。
エキスパンダーがきれいに入っていればこの手術も30分程度で終わりますし、痛みはほとんどありません。

しかし手術中は、患者さんの体を何回も起こして、用意してあるシリコンインプラントを入れては左右の対称性を確認しているのです。
もちろんこの間、患者さんは眠っているので知る由もないのですが...

シリコンインプラントの入れ換えは全身麻酔といっても、当院では乳房切除術のときのように気管に管を入れることもなく、麻酔科医が点滴から入眠剤を使用し、手術中はマスクで呼吸管理をしますので、鼻にチューブを入れたり、尿の管を入れることもありません。
術後リカバリールームに戻られる頃には目がさめて、トイレも御自分で行っていただきます。よって日帰りは十分可能です。


両側イミーディエット例
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人工乳房を使用する方法

第一段階:エキスパンダー挿入

乳がん手術を終えて、ある程度時間が経ち、乳房を失ったことが本当に不便に感じたり、悲しみが癒えなければ、是非、ディレイドを行ってください。

まず、全身麻酔下で乳房切除の傷を切開し、皮膚と筋肉の下にティッシュエキスパンダー(組織拡張器)を挿入します。エキスパンダーは皮膚を伸ばすためのシリコン製の風船で専用の刺入口から生理食塩水を注射し、皮膚を伸展させます。この手術は慣れている医師なら、30分以内で終わります。

全身麻酔といっても、当院では乳房切除術のときのように気管に管を入れることもなく、麻酔科医が点滴から入眠剤を使用し、手術中はマスクで呼吸管理をしますので、鼻にチューブを入れたり、尿の管を入れることもありません。

術後リカバリールームに戻られる頃には目がさめてトイレも御自分で行っていただきます。よって日帰りは十分可能です。

第二段階:生理食塩水注入

1週間後に抜糸し、さらに1ヶ月後から生理食塩水の注入を行います。注入は1〜2ヶ月に1度、外来で行います。注入量も期間も特に決まりはありません。スケジュールに合わせながら、痛みを感じない程度に水を入れていきます。反対側の乳房の大きさにもよりますが、通常は6ヶ月くらいで反対側より少し大きいくらい膨らむことになります。

この拡張を行っている間も、患者さんは日常生活に支障は来しません。仕事もスポーツも旅行も行ってください。ただ、エキスパンダーの生理食塩水注入部には注入用の針が突き抜けないように大き目の金属板が入っていますので、エキスパンダーが入っている間はMRI検査はできません

第三段階:シリコンインプラントへの入れ換え

反対側より大きくなったらエキスパンダーを抜去し、コヒーシブシリコンインプラントを挿入します。30分程度で終わりますし、痛みはほとんどありません。しかし手術中は、患者さんの体を何回も起こして、用意してあるシリコンインプラントを入れては左右の対称性を確認しているのです。もちろんこの間、患者さんは眠っているので知る由もないのですが...

シリコンインプラントの入れ換えも全身麻酔下で行いますが、エキスパンダー挿入の時と同様に当院では日帰りが十分可能です。

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乳輪、乳頭の再建

乳房の膨らみが再建されて1ヶ月以上たってから、乳輪乳頭の再建を行うことが一般的です。乳輪乳頭は乳房の顔のようなものですから、位置が少しでもずれるとおかしくなってしまいます。
乳がん手術で乳輪乳頭を残した例でも、位置が対称的でない場合はこれを修正することはできます。


乳輪の再建

以下の2種類の方法があります。

① Tattoo(刺青)
Tattooはおひとリおひとりの色が違いますので、健側に合わせて(両方の方はご本人の希望で)、何色かの専用のインクを混ぜて色を作成し、針で皮膚を削っては色を入れていく作業です。

初回は位置決め、インクの作成もありますので小一時間かかります。その後、乳頭を作成して、最後に仕上げを行います。皮膚の厚さ、性質によっては数回必要になる方もいらっしゃいます。これは医療行為として認められていないため自費がかかります。

② 健側からの移植
皮膚移植は乳頭と一緒に行います。健側の乳輪の大きな方は外周から乳輪を切除し、健側へと移植します。手術は40分程度かかり、2週間後に抜糸します。



乳頭の再建

以下の3種類の方法があります。

① 健側からの移植
健側の乳管のうち数本を採取し、神経とともに移植します。図のように水平に採取する場合と縦に採取する場合がありますが、これは乳頭の大きさ、形によります。
健側の大きさは少し小さくなりますが、傷も全くわからなくなり、性的感覚も変わりませんし、授乳にも問題ありません。





② 局所皮弁法
健側に採取するだけの大きさがない場合や、健側をいじりたくない方、両側の再建を行っているケースでは再建された乳房の皮膚を星型に切って組み立てる局所皮弁法(Star flap, Skate flap)が用いられます。

この方法だと、皮弁の中身が伸展された脂肪になるため、支柱が柔らかく、ブラジャーの装着やうつぶせ寝でつぶされると、長期経過で平坦化することがまれではありません。しかし、健側をいじりたくない方にはとても良い方法です。

③ Tattoo
健側の乳頭が陥没していたり、手術をこれ以上したくないという方は、乳輪のTattooをするのと同時に色を、変えて立体感を出し乳頭があるかのように見せることもできます。


乳輪乳頭位置異常の修正

乳がん手術で乳輪乳頭を残せたものの(Nipple Spearing mastectomyといいます)、乳輪乳頭の位置が上方、外側にずれてしまうことがあります。ずれ方によってはこれを正しい位置に戻すことはできますが、非常に難しい手術ではあります。ご希望の方は専門医にご相談ください。



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乳輪、乳頭の再建

すべての手術と同様に、乳房再建にもリスクはあります。手術をする前にあなたの可能性のある合併症や副作用について、担当医と相談してください。


① 炎症、感染
人工物でも自家組織でも、炎症、感染のリスクはあります。しかし、これが起こった場合は人工物の方が深刻といえるでしょう。イミーディエットで述べたように、ディレイドでもエキスパンダーの挿入中に起こりやすいのが特徴です。きっかけとしては、既に述べた乳癌手術後のリンパ液の貯留に加え、身体、精神への大きな負担、ストレス、疲労、感冒などです。

ある日、エキスパンダーの入っているあたりが赤くなったり、熱感を持ったりしたら、まず自分が心身ともに疲れていないかを考えてください。そして局所を冷却して栄養と休養をとり、すぐに専門医の診察を受けてください。そうすればたいがいの場合は大事にいたらず治ってしまいます。しかし『家にある抗生剤を飲んだから大丈夫』とか、『近所の内科の先生に点滴してもらったから』というのでは、逆に本当に感染を起こしたときの耐性菌を増やすことにもなりかねません。

どんなに仕事が忙しくても、どんなに専門医が遠方でも、それを第一に考えられないのであれば、最初から再建を始めてはいけないのです。特に抗がん剤の点滴を受けている方や放射線照射を受けている方は注意が必要です。

本当に感染してしまうと人工物を取り出して洗浄したり、新しいものに入れ換えることになったり、一度抜去しないと感染が治まらないことになります。ほおっておくと、皮膚や大胸筋が融けてエキスパンダーが露出することもあります。

しかし、万が一そうなったとしても、『人工物で二度と再建ができない』とは思わないでください。あなたさえ諦めなければ、数ヶ月後感染が治まってからもう一度トライすることはできるのです。



② 組織壊死
乳がんが皮膚のごく近いところにあった場合、乳がん細胞を取り残さないように、乳腺外科医は乳がん周囲の脂肪や皮下組織をできるだけたくさん切除します。また、電気メスを使用した場合や小さい傷から手術をした場合、皮膚の裏側から電気メスの熱や無理に皮膚を引っ張った摩擦感でやけどを起こすことがあります。

そういった場合は皮膚がダメージを受け、血行が悪くなって皮膚が壊死してしまいます。結果として、傷がくっつきにくくなったり、また、乳輪乳頭を残した乳がん手術では乳輪乳頭の血のめぐりが悪く乳輪乳頭が壊死してしまうことがあります。喫煙者は特にこれが頻発しますので禁煙が必要です



③ 被膜拘縮
異物であるシリコンインプラントの周囲には人工物に対する自己防衛反応として被膜(カプセル)が形成されます。そしてそれがさらに硬くなって締め付けられそうになる被膜拘縮と呼ばれる問題があります。その被膜は野球ボールのように非常に硬く変形し、痛みが生じることもあります。

そうなると手術によって被膜を切除することが必要になってきます。テクスチャード・タイプのエキスパンダーとコヒーシブシリコンインプラントが用いられるようになってからは、被膜拘縮を起こす頻度は格段に減少しました。しかし下記のような条件の方にはまだまだ被膜拘縮は起こる可能性があります。

▼もともと痩せている
▼乳がん手術で皮膚や脂肪をたくさん取っていて、傷がひきつれていたり、へこんでいる
▼エキスパンダー挿入中に炎症、感染を起こしたことがある
▼放射線照射をしている
▼エキスパンダーを入れている期間が短かった
▼スムースタイプのエキスパンダーを挿入していた
▼術後の出血や浸出液の貯留が多かった
▼喫煙者



④ 非対称
人工物は保険適応になったとはいえ現在も尚、輸入品に頼っている状態です。シリコンインプラントは、大きさ、形により200種類以上ありますが、それでも健側と全く同じ大きさ、形のものを選び出すのは至難の業と言えます。よって全く対称的にすることはもともと不可能であると思ってください。

特に健側が垂れていたり、極端に小さくて平たいけれど、健側まで手術するのは嫌だとおっしゃる方や、何らかの原因で再建を早めなければならなかったり、これ以上生理食塩水が注入できなかった場合、また被膜拘縮が起きてしまった場合は非対称になることが考えられます。

また、人工物であれ自家組織であれ、再建から日にちがたてばおのずと健側は年をとってゆき、それに対して再建側は変わらないため非対称になって、どちらかに何らかの手を入れる可能性もあるということは考えておかなければなりません。

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あなたがこれを読んで、もし乳房再建術を受けてみたいという気持ちになられたら、形成外科医に相談してみてください。
その医師がきちんとした専門医であり、乳房再建の経験も豊富であれば、あなたの受けた、またこれから受ける乳房切除術とその結果に応じて、あなたの最も適した方法をアドバイスしてくれるでしょう。

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